主菜という“軸”が決まったら、次は名脇役となる副菜です。主菜とのバランスを考えながら、栄養と楽しさをプラスしていきましょう。まずは基本となる「4つの組み合わせルール」から見ていきます。
主菜と副菜の調理法をずらすことで、栄養バランスの偏りを防ぎます。特に脂質量は調理法によって大きく変わるため、意識的に組み合わせましょう。
調理法の種類:焼く(オーブン)、炒める、煮る、蒸す、揚げる、茹る、和える
主菜と副菜の味つけの方向性を変えることで、献立全体が単調になるのを防ぎ、子どもたちの豊かな味覚を育みます。
味のバリエーション:
Point:完全に重ならないようにするのは難しいので、「副菜で新しい味を追加する」というイメージで組み立てるのがコツです。
単調な食感が続くと、食事自体が飽きやすくなります。主菜と副菜の食感をずらすことで、食事にリズムやアクセントが生まれます。これにより、最後まで美味しく食べ進めることができ、満足感に繋がります。またこれは咀嚼力を育てる上で非常に重要です。
「温かい料理」と「冷たい料理」を意識的に組み合わせることで、献立全体にメリハリが生まれ、食事がより楽しくなります。
熱々の揚げ物にひんやりとした酢の物を添えると口の中がさっぱりし、主菜の味が引き立ちます。
夏は冷たい副菜で涼やかに、冬は温かい汁物で体を温めるなど、季節に合わせた組み合わせは満足度を大きく左右します。
副菜の一品を「冷たい料理」にすれば、コンロが混み合うのを防ぎ、調理の負担を減らす工夫にもなります。
4つのルールをすべて完璧に満たすのは、毎日の献立では難しいかもしれません。そんな時は、以下の優先順位を意識してみてください。まずは「調理法」と「味つけ」の重複を避けることを第一に考えると、献立のバランスがぐっと良くなりますよ。
まずはできるところから、少しずつ意識していきましょう!
基本ルールで献立の骨格ができたら、次は保育園の現場で欠かせない、より実践的な5つの視点で最終チェックをしていきましょう。
もちろん、これらも毎回すべて完璧に満たすのは大変です。「献立を最終確認する時の、お守りのようなチェックリスト」と考えて、まずは意識するところから始めてみましょう!
「おいしそう!」は見た目から。「赤・黄・緑・白・黒(茶)」の5色が揃うと、見た目が華やかになるだけでなく、自然と栄養バランスも整います。「何色が足りないかな?」と想像する癖をつけましょう。
・形状のバランス:主菜がスパゲッティ、副菜が春雨サラダなど、両方とも麺状だと食べにくいです。片方が麺類なら、もう片方はポテトサラダのようにすくいやすい形状にしましょう。
・味の組み合わせ:残食が多い主菜の日は、副菜を子どもが好きな味付けにするなど、「お楽しみ」を作ってあげると苦手なものにも挑戦しやすくなります。
限られた時間と人員で、安全な給食を提供するためのマネジメントも栄養士の大切な仕事です。
・作業の集中を避ける:主菜と副菜で「切る野菜が多すぎる」「下処理に時間がかかる根菜類が重なっている」などを避けます。
・簡単レシピの活用:「トマトを切るだけ」のような簡単な副菜をレパートリーに入れておくと、作業負荷を調整しやすくなります。
1食だけでなく、1日、1週間というスパンで同じ食材ばかり続いていないかを確認します。例えば同じ緑の野菜でも「ほうれん草→小松菜→ブロッコリー」のように種類を変えるだけで、摂れる栄養素の幅が広がります。
決められた予算の中で実現することも重要です。旬の食材は、栄養価が高く、美味しく、そして安価です。積極的に取り入れて、コストを抑えながら給食の質を高めましょう。
このあたりは、今後公開予定の「困った時のレスキュー集~給食費を下げても栄養は守る献立作成術~」で詳しく解説しますので、お楽しみに!
今日の主食・主菜は「ミートソーススパゲッティ」です。
副菜と汁物を組み合わせるなら、どれがベストバランスでしょう?