昼食編 1/3

昼食編 1/3

栄養士さんのための、主菜と副菜の組み合わせシミュレーション

💡 献立シミュレーション

今日の主菜は、子どもたちに大人気の「鶏肉の照り焼き」。甘辛い味付けで、ごはんが進みますね。

さて、副菜として組み合わせるなら、次のうちどれが最も効果的でしょうか?選択肢をクリックして理由を確認してみましょう。

A:かぼちゃの煮物
B:ほうれん草の胡麻和え
C:春雨サラダ(バンサンスー)

どれも保育園でよく出る副菜です。

栄養士として「なぜこれを選ぶのか?」という明確な意図を持つことが大切になります。

このガイドを読み終える頃には、それぞれの選択肢のメリット・デメリットを考え、自信を持って「Cがベストです!」と説明できるようになっていますよ。

では一緒にシミュレーションしながら、さっそく献立をたてていきましょう!

👇

昼食の基本構成 🍽️

昼食は基本的に 「主食+主菜+副菜+汁物+果物」 で考えます。

📖 根拠:厚生労働省「保育所における食事の提供ガイドライン」

  • 「主食・主菜・副菜を組み合わせ、栄養バランスのとれた食事を提供すること」 が基本とされています。
  • 汁物や果物を組み合わせることで、水分補給、ビタミン・ミネラル・食物繊維の補給、食事の彩りや満足感アップにつながります。
  • ただし園によっては、副菜を2品にしたり、果物は午後おやつに出すなど、少しアレンジされることもあります。

🍜 献立の形はいろいろ

必ずしも「主食+主菜+副菜+汁物+果物」の5品構成でなくてもOK。丼ものや麺類など、1品で主食・主菜・副菜を兼ねる料理の場合は、2〜3品で組み合わせてもOK!

🌮 献立例1

・タコライス(主食+主菜+副菜)
ごはん,豚ひき肉,たまねぎ,レタス,トマト

・豆乳ポトフ(主菜+副菜+汁物)
鶏肉,にんじん,たまねぎ,キャベツ,じゃがいも

+ 果物 🍊

🐷 献立例2

・野菜たっぷり豚丼(主食+主菜+副菜)
ごはん,豚こま肉,にんじん,たまねぎ,こまつな

・味噌汁(汁物)
なす,たまねぎ

+ 果物 🍎

🌶️ 献立例3

・マーボー丼(主食+主菜+副菜)
ごはん,木綿豆腐,豚ひき肉,にんじん,ねぎ

・大根のツナサラダ(副菜)
だいこん,にんじん,きゅうり,ツナ

・春雨スープ(汁物)
もやし,わかめ,春雨

+ 果物 🍌

💡 「1品で栄養がまとまる料理」を組み合わせると…

食塩量を減らせる、調理時間を削減できる、調理員さんの負担軽減、後片付けもスムーズになるなど、給食の現場においてとても有効な工夫になります。🌸

実際の献立作成の流れ

ステップ1. 献立の“軸”となる主菜(たんぱく質)を決める

主菜 → 副菜 → 主食 → 汁物 → 果物 の順で考えると、バランスが崩れにくく効率的です。

主菜は肉・魚・卵・大豆製品などを週の中でバランスよく配置し、献立の“軸”にします。

なぜ、肉・魚・大豆・卵をバランスよく使うの?

1. アミノ酸の補足効果
複数のたんぱく源を組み合わせることで、必須アミノ酸を互いに補い合い、効率よく体に取り込めます。

2. 含まれる栄養素がそれぞれ違う
主菜を変えるだけで、たんぱく質以外の様々な栄養素を自然と摂取できます。

\ カードをクリックして栄養素をチェック! /

肉類 🥩
吸収率が高いヘム鉄や、ビタミンB群が豊富。
魚類 🐟
脳の発達に良いDHA・EPAや、ビタミンDが豊富。
大豆製品 🌱
植物性たんぱく質に加え、食物繊維が豊富。
卵 🥚
「完全栄養食品」と呼ばれるほど栄養価が高い。

主菜を先に決める2大メリット

1. 調理全体の効率が上がる

主菜は、調理工程・使用器具・時間の大部分を占めます。先に主菜の調理法(焼く、煮る、揚げる等)を決めることで、「揚げ物でコンロが一つ埋まるから、汁物は簡単なものにしよう」というように、調理全体の流れを具体的にイメージできます。

2. 栄養バランスの土台ができる

主菜が決まると、献立の栄養的な骨格が決まります。例えば、「主菜で野菜が少ないから、副菜や汁物は具沢山にしよう」というように、他の料理で補うべき栄養素が明確になります。

たんぱく源と調理法が重ならないように、1週間分の主菜を割り振ってみましょう。
その時、調理法ができるだけ重ならないように考えます。

🗓️ 主菜の1週間割り振り例

曜日 主菜(食品群) 調理法 メニュー例
月曜日 鶏肉料理 🐔 焼く 鶏肉の照り焼き
火曜日 魚料理 🐟 煮る さわらの味噌煮
水曜日 大豆製品 🌱 揚げる 大豆のかき揚げ
木曜日 卵料理 🥚 焼く スペイン風オムレツ
金曜日 豚肉料理 🐷 炒める+煮る カレーライス

さあ、これで1週間の献立の骨格が決まりましたね。
次のステップでは、この主菜に合わせて、名脇役となる「副菜」を決めていきましょう!