幼少期の食物アレルギーを正しく知る
近年、日本において食物アレルギーを持つ子どもが増加傾向にあります。 本レポートは、最新の疫学データ、主要な原因食品、そして劇的に変化した「予防の常識」について、 データを可視化し、インタラクティブに解説します。
📊 アレルギーの現状と疫学
食物アレルギーは乳児期に最も多く発症します。 ここでは、年齢別の発症分布と、新規発症の原因となる主要なアレルゲンの内訳を可視化しています。 鶏卵が圧倒的に多い一方で、年齢とともに原因食品の傾向が変化することにご注目ください。
年齢別の新規発症割合
原因食品の内訳(0歳児)
🥚 主要原因食品の詳細分析
アレルギーの原因となる「3大アレルゲン(鶏卵・牛乳・小麦)」と、近年注意が必要な品目について詳しく解説します。 左側のリストをクリックすると、各食品の特徴、耐性獲得(自然に治る確率)、および注意点が表示されます。
リストから食品を選択して
詳細を表示してください
📉 症状の理解と耐性獲得
多くの乳幼児期の食物アレルギーは、成長とともに「耐性」を獲得し、食べられるようになります。 下のグラフは主要アレルゲンの年齢ごとの耐性獲得率(治る確率)を示しています。
耐性獲得率の推移(自然治癒)
※鶏卵・牛乳・小麦は小学校入学までに多くが改善しますが、ピーナッツなどのナッツ類は耐性を獲得しにくい傾向があります。
注意すべき症状とサイン
皮膚症状 (約90%)
蕁麻疹(じんましん)、赤み、痒み。最も一般的で最初に現れやすい。
呼吸器症状 (約25%)
咳、ゼーゼーする(喘鳴)、声が枯れる。緊急性が高いサインです。
消化器症状 (約10%)
腹痛、嘔吐、下痢。食べてすぐに吐く場合と、数時間後の場合があります。
アナフィラキシー
複数の臓器に強く症状が出る状態。血圧低下や意識障害を伴う「ショック」に要注意。
🛡️ アレルギー予防の「新常識」
かつては「原因食品をなるべく遅く食べさせる」ことが予防と考えられていましたが、 現在のガイドラインは180度転換しています。
❌ 過去の常識 〜2000年代
「卵や牛乳は消化機能が整う1歳過ぎまで待つべき」
✅ 現在の推奨 (PETITスタディ等) 2017年〜
「湿疹を治してから、早期に少量ずつ摂取を開始する」
正しい予防の3ステップ
スキンケア・湿疹の治療
アレルゲンは荒れた肌(湿疹)から侵入してアレルギー準備状態を作ります(経皮感作)。 まずはツルツルの肌を保つことが最大の予防です。
適切な時期の摂取開始
生後5〜6ヶ月頃から離乳食を開始し、遅らせずに卵(固ゆで卵黄)などを少量から試します。 ※既に湿疹がある場合は医師に相談してください。
微量からの継続摂取
症状が出ない範囲で継続的に食べることで、体が「これは食べ物だ」と認識します(経口免疫寛容)。