「給食だより・給食献立表」に込められた栄養士の想い

学校生活が終了すると給食を口にする機会がなくなり、目にすることもなくなってしまう「給食だより・給食献立表」。

毎月、月末になると新しい「給食だより・給食献立表」が配られ、好きな(あるいは嫌いな)メニューの話で友達や家族で盛り上がったりした事が思い出される方も多いのではないでしょうか?

今となっては懐かしの「給食だより・給食献立表」ですが、今日はこの「給食だより・給食献立表」に込められた栄養士さんたちの思いやメッセージについて説明していきます。

Aさん(栄養士歴 5年 兵庫県)

私はいつも“和食の基本”と言われている、“一汁三菜”をベースとしています。一食のメニュー内に、①汁物②主菜③主食④副菜の4品目の組み合わせでバランスを取るようにしています。

献立のメニューは月ごと、週ごとに分けていき主食から順に決めるようにしています。週3~4回は米飯類、月に1~2回は麺類、その残りがパン食です。学校給食には毎回、牛乳がつくので、その栄養素と予算、行事などを考慮して、デザートや旬の果物をつけるようにしています。そして特に主菜の、調理形態が偏らないようにも、心がけています。というのも子どもたちが好きなメニューはどうしても調理法が揚げる、焼くなどに偏る傾向が出てしまうからです。主菜とのバランスを元に副菜や汁物の種類を決めます。

最後に、全体的な食器数や見た目の色、味や調理方法のバランスをチェックします。 私は母のご飯が好きで栄養士を目指すきっかけにもなったので、給食を家庭の味に近づける努力をしているのですが、確認したようでも一回の給食のメニュー内にキャベツとトマトが重複してしまうなどの失敗もあります。

まだまだ、工夫できることがたくさんあるとやりがいを感じています。子どもたちの健やかな成長のためにこれからも頑張ります。

Bさん(栄養士歴 13年 千葉県)

私たち栄養士は献立をたてるとき、いろいろな条件や思いが頭の中を交錯します。

給食が「生きた食育(食教育)の教材」であるために、まずはじめに、「安全・安心の調理法で栄養価の整いやすいメニュー」であり、子どもたちが喜んで食べるもの、食べやすいものであることを重要視しています。甘い、辛い、酸っぱいなどの味のバランスだけでなく、和食、洋食、中華などのバランスや見た目(彩り)、調理方法(揚げる、焼く、煮る、蒸す、汁物、炒める、和えるなど)を考慮しています。

つぎに旬の味を楽しむための季節感が味わえる食材や行事食を設定します。最近は、この地域の郷土料理だけでなく、世界各国の名物料理を調べ選ぶことで子どもたちの興味関心を育てるようにしています。

そして、これらとは別に各都道府県や市町村で設定されている条件や制約を元にメニューの決定となります。

その内容とは、給食費と物価状況(給食一回分の単価やその年の物価状況)や時間内に可能だとされる調理師さんの作業能力、使用可能な食器の数や種類などです。(もちろん、月単位の食品の構成内容や栄養価にも制約があり、給食摂取基準を元に作られたウェブサイト「おkayu」が便利なので使用しています。)最終的には、赤字が出ないようにしなければならないので気を遣う部分ではあります。特に最近は、給食費未納問題が起こることで一部の支払いが滞り、食事内容が急遽変更される事態が起きたところがあると聞きました。これらは、とても難しい問題だと思っています。

Cさん(栄養士歴 7年 香川県)

都道府県や市町村などによって少しずつ異なるかもしれませんが、毎月25日頃に配布される給食だよりや給食献立表は、地区内で格差が出過ぎないように栄養士委員会で考えられた「共通献立」などを作って情報の共有なども行っています。

保護者の皆さんから「キッチンの棚に貼ってある献立表を見ては、家の食事メニューと重ならないように準備しています。」「イラスト入りの献立表を見ると一目でわかりやすく、子どもに『今日の献立、おいしかったよ』と言われたら作り方を調べるなどしています」というお声を頂き、ますます励みに頑張っています。