子どもにあげる食事量って、なかなか難しいですよね。子どもの適切な食事の摂取量ってどのくらいなのでしょうか?
もちろん、成長の度合い、体格、体の大きさによって異なります。今日は、子どもの一回の食事で可能な摂取量を調べてみましょう。
離乳期における食事の摂取量について
世界保健機構(WHO)の報告では、子どもの食事における適切な摂取量は、
子どもが一回の食事で食べることが可能な量は、その子どもの胃の容量や大きさによって異なります。一般的に、おおよそ子どもの体重の1キログラムあたり30ml。それ以上は一度に食べられないと考えるべきである。
とあります。
例えば体重が10kgの子どもであれば、胃の容量は300mlになるということです。もちろん環境や気候によっても、日々食べられる量は変化しますので、あくまでも目安として考えなければいけません。
胃の大きさによって育児用ミルクや母乳摂取量も変化していき、 体の成長によりミルク摂取量が増えていきます。離乳食の開始時期と言われる頃には1回毎に200mlぐらいのミルクを飲めるようになるという計算です。
幼児期における食事の摂取量について
幼児期の食事についても、もちろん量やその栄養濃度に関係があります。保育園での給食時の適量は、以下の通りです。
3歳児の1回の食事例
ごはん100g前後
汁もの150g前後
主菜(魚料理・肉料理など)50g前後
副菜(サラダ・和え物など)70g前後
フルーツ40g前後
麦茶100ml前後
これらを計算すると、胃の容量と同等のおおよそ500mlになります。
保育園の給食は「乳幼児が必要としている栄養素量を、一回の食事やおやつで無理なく食べきることが可能な量」を提供しているのです。ただ、体重の1キログラムあたり30mlという定義を考えると、同じクラスでも体格が小さい子どもには上記の量を食べられない場合があります。
同じクラスだから全員が同じ量を完食する必要がない、無理強いはしないということを、肝に銘じておきましょう。
一回の食事で少量しか摂取できない子どもへの対応
一回で少量しか食べられない子どもがいた場合はどうでしょう。まずは、以下のことを考えてほしいのです。
- 少ししか食べられない原因を明確にする
- 家庭と連携し、その子供が実際に「摂取している食品と量」を書き出し栄養価を算出。成長曲線に当てはめて、発達の状況を確認し、必要に応じて家庭教育を行う
食べる量が少量であっても、バランスのとれた食事が取れていて成長曲線が順調な場合は問題はありません。
でも「少量しか食べないのにどうしてあんなに体格がいいの?」「少ししか食べないのに大きく育ったのはなぜ?」と思われる子どもがいたとします。この場合は、家庭でチョコレートやドーナツといったお菓子をたくさん食べてしまい、必要な食事が食べられないということが起こっているとも考えられますので、食生活の改善について保護者に話す必要があるかもしれません。
「現時点で、肥満と言われるほどではないけれど・・・」と思われても、学童期での肥満の恐れがあるとして食生活の改善を求める指導を行います。
最後に
多くの保育園で利用していただいている「無料献立&加算取得サービス」では、日々大きな責任とともにやりがいを感じています。特に、上記のように子どもの身体状況と、家庭との連携に悩まれる保育園さまも多くいらっしゃいます。私たち管理栄養士が知っている知識をフルに活用して、みなさんが20年後・30年後も健康でいられるようなサポートをしてまいりたいと思います!